「シルバーレイクの岸辺で」には、とうさんが工夫たちに給料を払うように詰め寄られて、緊張感が走る話があります。「パイオニアガール」にもそれと同じ話がありますが、それ以外にも、飯場でおきたさまざまなトラブルが原作よりも生々しく描かれています。
馬泥棒やら給料交渉やらで、現場には一触即発の緊張感が漂っていました。ハイラムおじさんたちも、鉄道会社の汚いやり口に対して、それなりのやり方で対抗したようです。だましあいは日常茶飯事だったようですが、そういうことは出版作品では描かれていません。
中でも光っているのはビッグジェリーです。彼はテネシーの山猫のエドワーズさんみたいです。彼がやってくると、必ずいいことがあるからです。少なくともインガルスにとっては。ネリーオルソンのような「東部」の男を、イタイ目にあわせたりして痛快です。身体のがっちりしたイイ男だったようで、出版される「パイオニアガール」にどんな注釈がつくのか、楽しみです。