2014年2月7日金曜日

PG28 メアリとかあさん

ローラはおてんばで、外で飛び跳ねるのが好きだけど、メアリーはおとなしくて、家で手芸をしているのが好き、というのが原作からの印象です。それは「パイオニアガール」でも同じです。


でも、メアリーってホントにおとなしいかったのかな? 縫い物や編み物が好きだからといって、女らしいとか、おとなしいわけじゃない。 ただ単に、当時の習慣や価値観に従順だっただけ、という気もする。
「パイオニアガール」によると、メアリーは十三歳のローラが男の子たちと雪合戦をしているのをみて、「女らしくない」とローラの髪をひっつかんで止めようとしたり、ローラがやめないとかあさんに言いつけたりしました。ローラはそんなメアリーを「告げ口屋」と呼んでいました。
メアリって、きれいで頭が良くて、親のいうことを聞く良い子で、どうすれば親が喜ぶかを知っていて、ローラもそれに気づいていました。メアリって失明しなかったら鼻持ちならない女になっていたような気がする。失明してからのメアリの方が好感が持てます。


十九世紀の女性の体型は、砂時計のような細いウェストが理想でした。当時の「今どきの女の子」は、男性を射止めるために、ウェストを細くしようと必死だったそうです。結婚すると母親や妻としての役割を求められたけど、「今どきの女の子」たちは、女であることをあきらめようとせず、頭を抱える男性もいたそうです。
ローラのかあさんも、独身時代はとうさんの両手がまわるくらいウェストは細かったから、「今どきの女の子」だったのかも。結婚してから妻と母親に専念したかあさんは、「今どきの価値観」にも従順でした。


きつく締めすぎると内臓の位置がずれてしまい、健康を損なう危険もあるのに、メアリは寝る時もコルセットをつけていました。ローラは我慢出来なくて、寝るときははずしていました。かあさんはそんな娘を心配していました。三人の女性の生き方がコルセットから見えてきます。
ある学者さんは、今の女性はジムにいったりダイエットして、目に見えないコルセットをつけている、と述べていました。ハイヒールも人気があるし、昔とあまり変わっていないのかもしれません。



学生時代、児童文学研究会のメンバーだった男の子は、メアリやかあさんのファンでした。彼の理想の女性は知的美人で、「女性とは対等の関係が良い」とも言っていました。
まだ二十歳そこそこだった私は、彼を進歩的な人と思っていたけど、今にして思うと、対等に知的な会話ができて、男性優位社会の価値観に従順だったメアリとかあさんは、たんに都合がよい女だったという気がする・・・・・・・と、先日、友だちに話したら、「日本の男なんて保守的だから、そんなもんじゃないの」と返ってきました。たしかに。