ローラ・インガルス・ワイルダーは「小さな家」シリーズを出版する以前に、回想録「パイオニア・ガール」を執筆しています。これはインディアン・テリトリーの暮らしからローラの結婚までを一人称で書いた大人向けのノンフィクションです。この原稿は出版できずに終わりました。このブログでは、その「パイオニア・ガール」を紹介しています。 ここでは二つの「パイオニア・ガール」を扱っています。一つはバイ版と呼ばれるもので娘のローズ・ワイルダー・レインが添削したものです。ページのタイトルがPGで始まっています。バイ版は出版されていません。 もう一つは下書き原稿の「パイオニア・ガール」で、2014年秋に注釈付きで出版されました。添削されていないため事実にいちばん近いと考えられています。ページのタイトルはPGHで始まっています。
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PGH キャップ&フローレンス・ガーランド DK12
ローラの学校の先生だったフローレンス・ガーランドは、1880年当時、18歳で、デ・スメットの公立学校の最初の教師でした。その学校は資材も労働も、町の人々のボランティアによってたてられたもので、先生の給料はひと月に20ドルでした。 フローレンスは1887年に材木商だったチャールズ...
2014年2月11日火曜日
PG31 汽車の旅
「シルバーレイクの岸辺で」には、ローラたちが汽車でトレイシーまで旅をして、とうさんと再会する話があります。
この汽車の旅を腑に落ちないと感じている人は少なくありません。私もその一人です。というのは、デ・スメットとトレイシーは、ほんとうに近くて、わざわざ汽車でいく必要があるのか疑問だからです。
そのときチャールズ・インガルスは鉄道会社で働いていたので、割引か無料の切符を手に入れたのかもしれないと、推測している人たちもいます。
同じ話が「パイオニアガール」にもありますが、残念ながら、何も書いてありません。
ワイルダーは幼いころは幌馬車と汽車で、晩年は車と飛行機で旅をしました。その中でいちばん好きだったのは言うまでもありません。好き嫌いは利便性だけではなかったようです。
トレイシーから幌馬車の旅を続けて、インガルスはドーシアおばさん一家と合流しました。「パイオニアガール」には、「シルバーレイクの岸辺で」と同じく、ローラはいとこのレナとジーンとはだか馬に乗り、馬車で洗濯物を取りに行く話が描かれています。黒髪のレナは、ローラよりほんの少しだけ年上なのに、歳よりも大人びていました。野生的で美しいレナに、ローラは惹かれるものがあったのでしょう。レナと一緒のローラは、のびやかで、力強く、野性的な美しさを持った西部の女の子です。
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パイオニア・ガール