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PGH キャップ&フローレンス・ガーランド DK12

ローラの学校の先生だったフローレンス・ガーランドは、1880年当時、18歳で、デ・スメットの公立学校の最初の教師でした。その学校は資材も労働も、町の人々のボランティアによってたてられたもので、先生の給料はひと月に20ドルでした。 フローレンスは1887年に材木商だったチャールズ...

2013年11月26日火曜日

PG2 カンザスのインディアン


「大草原の小さな家」でも「パイオニア・ガール」でも、開拓者が増えたのを懸念したインディアンがときの声をあげます。ときの声というのは、過去にどんな闘いをして敵にどのような仕打ちをしたか、これから始まろうとしている闘いでは、どんなことをしようとしているかをうたったもので、いわば戦争前の心理作戦です。原作ではソルダ・デュ・シェーヌというインディアンの族長が、ときの声をあげる仲間を説き伏せ、闘いを諦めさせて白人を救ったとなっていますが、「パイオニア・ガール」では彼は出てきません。

「小さな家」の出版後、マウンテン・グローブ婦人クラブで行われたスピーチで、ワイルダーはその族長の名前がわかるまで何週間もかかったと話しています。でも、回想録に登場しないなら、ほんとうに族長はいたのでしょうか?  

また原作には、とうさんの留守中にふたりのインディアンが家に入って来て、外で遊んでいたローラとメアリーは、家にいるかあさんとキャリーを守るために番犬のジャックの鎖をはなすべきか話し合い、ジャックはそのままにして家にかけつける話があります。これと同じような話も「パイオニア・ガール」にありますが、カンザスに居たとき実在のワイルダーは二〜三才でした。二、三才の子どもがはたしてそこまで判断できるのかな、と思うのは私だけでしょうか? 

「小さな家」シリーズはフィクションで、「パイオニア・ガール」は回想録と言われていますが、ひょっとしたら創作も含まれているのかもしれません。



2013年11月23日土曜日

PG1 カンザスの料理用ストーブ


「大草原の小さな家」では、カンザスの丸太小屋でかあさんは、暖炉で煮炊きをしています。十九世紀の開拓記念館の暖炉で料理したことありますが、ロマンチックなんてもんじゃない。すっごく大変で、料理用ストーブの方が何倍も楽です。だから、「大きな森」では料理用ストーブがあったのに、カンザスでは時代をさかのぼった生活に逆戻りして、文明好きのかあさんは不満だっただろうなと思っていました。でも、「パイオニア・ガール」によると、とうさんはインデペンデンスにガラス窓を買いに行った時に、ストーブも買って帰っています。さすがとうさん! 料理用ストーブって重たくて、運ぶだけでもひと苦労なのに。
それにしても、そのストーブ、カンザスを去る時にどうしたのでしょう? けっこう高い買い物だったと思いますが。

「大草原の小さな家」の初版は、カンザスの大草原には、「野生の動物たちが気ままに歩き回っていて、人(people)は一人も住んでいなかった、インディアンだけがいた」となっています。刊行から二十年近く経ってから「インディアンは人間ではないのですか?」とクレームがついて、「人」が「移住者」(settlers) に書き直されました。ワイルダーも非を認めています。
「パイオニア・ガール」でも初版の「大草原の小さな家」と同じように描かれています。