バーオークからウォルナットグローブにもどると、ローラたちは再び学校へ通いました。ローラの先生はアンクル・サムと呼ばれていたマスターズ先生で、女の子の手を握るという嫌な癖がありました。でも、ローラの手を握ろうとしたとき、ローラは手に針をはさんでいたので、それ以来、二度と手を握ろうとしなかったそうです。
先生の娘のジェネヴィーヴ・マスターズも同じクラスでした。彼女は、ネリーもびっくりの甘やかされたオジョーサマで、東部からきたのを鼻にかけていました。そのジェネヴィーヴとネリーが同じクラスになったのだから、さあ、たいへん! どちらもお山の大将になりたくてクラスは二分され、どちらにもつこうとしないローラを二人は必死に取り込もうとしました。ところが、驚いたことに、クラスの大将になったのはローラだったのです!
ネリー・オルソンは三人の女の子を基に創られた創作上の人物で、そのうちの二人は、このネリー・オウェンズとジェネヴィーヴ・マスターズです。二人とも似たような性格だったので、どちらもネリー・オルソンにしたという、ワイルダーの手紙も残されています。
ジェネヴィーヴ・マスターズはもどうしようもないくらい甘やかされていました。彼女の父親のアンクル・サムも女の子の手を握り、発明家きどりで町中に迷惑をひきおこしました。彼女のいとこも飲んだくれでどうしようもありませんでした。どうやらこれはマスターズ一族の血のなせるわざかもしれません。