「パイオニアガール」を読んでいると、まだ小学生なのに働きづめだったローラが見えてきます。バーオークではかあさんを手伝って、ホテルで給仕や皿洗いをしました。ウォルナットグローブにもどってからも、マスターズさんの奥さんに頼まれて、ホテルで配膳や下ごしらえや子守をしました。病人の介護をするために、住み込みで働いていたこともあります。そのときホームシックになったローラは、神の存在を感じたと告白しています。
メアリーが失明してからは、かあさんの右腕になって、かあさんの手伝いをしたり、メアリーや妹たちの面倒をみました。とうさんが鉄道の仕事を得て、ダコタへ行ってしまうと、残されたかあさんとローラは荷造りに追われる忙しい毎日が続きました。
そんなある日、ローラはかあさんから、お手伝いのない日をプレゼントされました。とっても楽しかったようで、ともだちと遊んだだけのごく平凡な日だったのに、まるで特別な日だったかのように描かれています。かあさんは、ローラがどんなにしっかりしていても、子どもでいられる時間が必要だとわかっていたのでしょう。
そういった何気ない気遣いから、かあさんの思いやりの深さと、子どもを守れる成熟した大人を見る思いがします。