注目の投稿

PGH キャップ&フローレンス・ガーランド DK12

ローラの学校の先生だったフローレンス・ガーランドは、1880年当時、18歳で、デ・スメットの公立学校の最初の教師でした。その学校は資材も労働も、町の人々のボランティアによってたてられたもので、先生の給料はひと月に20ドルでした。 フローレンスは1887年に材木商だったチャールズ...

2015年3月27日金曜日

PGH いとこのレナ DK2

「シルバーレイクの岸辺で」によると、ドーシアおばさんはやもめと結婚して、いとこのレナとジーンは彼の連れ子になっています。でも、ほんとうはドーシアおばさんの最初のご主人との子どもでした。ドーシアおばさんは、「大きな森の小さな家」では若い独身の女性になっているため、ワイルダーはいとこたちを連れ子に変えたのです。
実在のドーシアは離婚して、ハイおじさんと再婚。レナとジーン以外に、三人の子どもがいました。

「シルバーレイクの岸辺で」では、ローラはポニーに果敢に飛び乗って遊んでいますが、「パイオニアガール」では、馬に乗ったことがないので怖いと、飛び乗りはしていません。でも、二人で洗濯物を取りに馬車を走らせたときは、楽しかったようで、ほんとうに楽しんでいるのは、馬か自分たちかわからないと述べています。


洗濯物を取りに行ったとき、ローラたちとたいして歳の変わらない、十三歳の女の子が結婚した話を聞いて、二人がギョッとする話は「パイオニアガール」にも登場します。まだ結婚なんかしたくない、誰かに責任をとってもらいたい、と述べていたワイルダーは五年後に十八歳で結婚。ワイルダーより一つ年上のレナは、二十二歳で農夫と結婚。七人の子どもをもうけて、ネブラスカに落ち着きました。


レナとローラは牛の乳をしぼるときに、いつも歌を歌っていましたが、レナが家族と一緒に飯場から去ってしまうと、ローラは一人では歌をうたう気になりませんでした。
ローラが一人でしぼった乳を持って帰ると、かあさんは「乳が少なくて困る」と、よくこぼしていました。ところが、ある日、ローラが歌をうたいながら乳をしぼると、たくさんの乳を出したのです。それ以来、歌をうたうとたくさんの乳を出すけれども、歌わないと少ししか出さないのに、ローラは気づきました。

それから五十年近く経って「パイオニアガール」を執筆していたら、「ラジオをかけながら乳をしぼるとたくさんの乳を出す」という話を偶然聞いて驚いた、と述べています。


「長い冬」では、盲学校行きを希望するメアリに、そっと二十ドルをしのばせたのは、謎の男エドワーズさんでした。でも、「パイオニアガール」では、レナの継父だったハイラムが飯場を去るときに贈ってくれたとなっています。エドワーズさんのエピソードは、ハイラムをモデルにした創作だろうと注釈がついています。

実はメアリだけでなく、かあさんも現金の贈り物をもらったことがあります。鉄道の飯場を去る予定だったアイルランドの家族は、赤ん坊が病気になって、出て行かれなくなりました。ところが、かあさんが赤ん坊の看病してあげたら良くなったので、両親は支払いを申し出ました。でも、かあさんはお金を受け取ろうとはしませんでした。
そして飯場を去る朝、挨拶にやってきた父親は、かあさんと握手をしたときに五ドルを握らせたそうです。

かあさんらしい、とても良いエピソードです。削除されてしまって残念です。