2015年2月26日木曜日

PGH はしかとしょう紅熱 IW2

バーオークに移ったインガルスは、ホテルの経営にたずさわりました。ウォルナットグローブからの知り合いのステッドマン夫妻との共同経営でした。夫妻にはジョニーとルーベンという二人の男の子がいましたが、良い遊び相手ではありませんでした。とくにジョニーは生まれつき足が悪かったので甘やかされていたからです。
学校から帰ると、ローラとメアリはお皿を洗ったり給仕をしてかあさんを手伝い、ステッドマンの奥さんに頼まれて、面倒なトミー・ステッドマンのお守りもしました。お守りをしてくれたら、クリスマスのプレゼントをくれると約束したからです。


でも、クリスマスはがっかりでした。とうさんもかあさんも忙しくて、ステッドマンの奥さんはプレゼントをくれなかったからです。おまけにクリスマスのあと、 ローラとメアリとルーベンは、はしかになってしまいました。二人がおとなしく寝ていると、ジョニーがこっそりやってきて、枕を引き抜いたりつねったりしました。そのうちジョニーもひどいはしかになってしまい、ローラは嬉しかったと綴っています。

一八七六年の秋にはしかが流行して、ワクチンのなかった当時、肺炎や下痢などを併発しました。「シルバーレイクの岸辺で」の執筆中、ワイルダーはメアリの失明について、「完治しなかったはしかが原因だ」とレインに説明していました。

けれども、原作ではしょう紅熱になっています。何かで読んだのですが、当時、しょう紅熱はよくみられた病気なので、子どもでもわかりやすいように変えたのではと、その執筆者は推測していました。

現代医学では、はしかや猩紅熱が原因で失明することはないとされています。メアリの失明は脳炎によるものだと専門家は結論づけています。

 その専門家は、たしか三〜四人の小児科医のチームだったと思います。 なぜ、彼女たちがメアリの病気の原因を調べようとしたのかは、しょう紅熱にありました。
病気の子どもを診察して、子どもの親に「しょう紅熱です」と告げると、メアリの失明を思い出して、子どもが失明すると思ってパニックになる親が多かったそうです。しょう紅熱で失明することはないと説明しても、不安をぬぐいきれない親が多かったのでしょう。そこでチームを組んで、きちんとメアリの失明の原因を探ったそうです。

アメリカにおける「小さな家」のインパクトは、大きなものがあるのですね。