「プラムクリークの土手で」の第一章で、ハンソンさんの土地を手に入れたとうさんは、ハンソンさんの畑をみながら、「なぜ、あんなちっぽけな畑しか作らなかったのかわからないな」と話しています。「パイオニア・ガール」では、「その春には、わずかな作物しか植えられていませんでした」となっていて、ハンソンさんは登場しません。
「プラムクリークの土手で」も「パイオニア・ガール」も、第一章ではバッタの襲来を予想させるような記述はありません。けれども、その辺り一帯は、前年にバッタによる襲来がありました。ですから、ミネソタに移住したとき、インガルスはそれを知っていたはずです。
記録によると、以前、とうさんの手に入れた土地を申請した人は二人いましたが、どちらも途中で放棄していました。インガルスが移住したとき、畑にはわずかな作物しか植えられていませんでした。おそらく前の居住者が掘りおこした畑に、近隣の住民か不法にいすわっていた人が菜園をやっていたのだろう、わずかな作物しか採れなかったのは、前年のバッタの襲来のせいだろうとヒルは推測しています。
けれどもワイルダーは、「プラムクリークの土手で」にハンソンさんという創作上の人物を登場させて、とうさんに上記のセリフを言わせていました。