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PGH キャップ&フローレンス・ガーランド DK12

ローラの学校の先生だったフローレンス・ガーランドは、1880年当時、18歳で、デ・スメットの公立学校の最初の教師でした。その学校は資材も労働も、町の人々のボランティアによってたてられたもので、先生の給料はひと月に20ドルでした。 フローレンスは1887年に材木商だったチャールズ...

2015年1月30日金曜日

PGH 金髪と茶色の髪とロティおばさん

「大きな森の小さな家」では、インガルスが町に買い物にいく話があります。そのとき、ペピンの雑貨店のご主人は、メアリのきれいな金髪の髪を誉めたのに、ローラの髪は「汚い茶色」なので触れませんでした。
メアリがロティおばさんに金髪と茶色とどちらの髪が好きか訊ねたときも、茶色の髪のローラは、ロティおばさんが答えるまで、みじめな気持で待っていました。
 ロティおばさんが帰ったあと、木ぎれを集めているときに、茶色より金髪の方がきれいだといったため、メアリをひっぱたいたローラは、とうさんにおしおきされます。そして「とうさんの髪も茶色だよ」といってもらって、ようやく落ち着きを取り戻します。 ワイルダーは、「小さな家」シリーズのローラに、金髪コンプレックスを持たせています。

 でも、「パイオニア・ガール」では、メアリはロティおばさんに髪について訊ねません。木ぎれを拾っている時に髪の色のことでケンカして、とうさんにおしおきされる話はありますが、とうさんがローラを抱きながら「とうさんの髪も茶色だよ」というセリフもありません。その代わりローラを抱いたとうさんは、「とうさんと森の声のおはなし」をしてくれました。幼いとうさんが、牛を連れて帰るときに道草をくって暗い森で怖い思いをした話で、「大きな森の小さな家」では三章の「長いライフル銃」に描かれています。

ワイルダーはメアリをひっぱたいたケンカのエピソードを「小さな家」の出版前に、あるエッセイで詳細に描いています。この一件はかなりワイルダーの心を傷つけたようです。髪の色ではなく、両親がメアリの話だけきいて、自分の言い分を聞いてくれなかったことに対して。両親への不満も垣間見えるエッセイです。


インガルスの家へ遊びに来たロティおばさん、Charlotte E. Holbrook(1854-1939)は、キャロライン・インガルスの異父妹です。 キャロラインの父親は、彼女が幼いときに船の事故で死亡したため、キャロラインの母親は五年後に再婚しました。ロティは彼らの唯一の子どもでした。インガルスの家を訪問したときロティは十二歳でした。きっとローラやメアリに会いに来たのでしょう。ロティおばさんは、かあさんと近い年齢だと思っていたので、実年齢を知ったとき意外でした。