「大きな森の小さな家」によれば、結婚前のかあさんのウエストは、とうさんの両手にすっぽり入るくらい細かったそうです。そんなに細かったのなら、かなりきつく締め上げていたのでしょう。メアリーは寝るときでさえコルセットを身につけていましたが、ローラはきついコルセットが我慢できませんでした。
「パイオニア・ガール」によれば、ローラはデ・スメットで迎えた最初の春からコルセットを着け始めたといいます。ただし正装するときだけで、それも、きつくは締めあげたりはしませんでした。そんなローラにかあさんは、
「私のウエストは、とうさんの両手にすっぽり入るくらい細かった・・・」
と言って説得しようとしましたが、ローラは、
「私は誰にもウエストを触らせたりなんかしないわよ」と一蹴したそうです。
コルセットをきつく締めると内蔵の位置がずれてしまい、身体に影響を及ぼすため、医師はきついコルセットに警鐘を鳴らしていました。でも、ファッショナブルでいたい女性はきつく締め続けていたといいます。理想のウエストサイズは十八インチだったといいますから、四十五センチくらいでしょうか? 昔のコルセットは現代のハイヒールに通じるところがあるかもしれません。
社会の価値感に疑問を持たないメアリーと疑問を持つローラ。コルセットにも二人の性格の違いがよく表れています。そんなローラですが、バカバカしいと思いながらも流行だからとフープスカートをはいていました。やっぱり女の子ですね。晩年のワイルダーは、昔のファッションだったフープを、呆れたように「樽のようだ」と述べていました。