2015年5月24日日曜日

PGH ジョージ・マスターズ DK11

ジョージ・マスターズは、「小さな家」シリーズでは描かれていませんが、「パイオニアガール」には幾度か登場します。彼はローラの学校の先生だったサム・マスターズの息子で、ネリー・オルソンのモデルの一人だったジェネヴィーブ・マスターズの兄弟です。「長い冬」のあった1880年当時、二十八歳で、鉄道会社が経営している店で働いていました。
妻のマギーは二十二歳で、両親はスコットランド人でした。インガルスは明朗なマギーは好きでしたが、父親にそっくりのジョージは、嫌いでした。

「長い冬」では、インガルスが家族だけで厳しい冬を乗り切ったと書かれていますが、実際には、ジョージとマギーも同居していました。

ジョージは西部の仕事へ行く途中、妻のマギーを置いて欲しいと頼むために、デ・スメットのインガルスの家へ立ち寄りました。  インガルスの家へ現れたとき、マギーは身重でした。彼らはできちゃった婚で、ウォルナットグローブで子どもを産んで、マスターズの家族に恥をかかせたくないという、マギーの配慮からデ・スメットへやってきました。彼らの息子アーサーは、長い冬が始まる前に、インガルスの家の二階で生まれました。取り上げたのはキャロライン・インガルスとガーランド夫人でした。キャップの母親です。彼はデ・スメットで生まれたいちばん最初の赤ん坊となりました。

冬が近づき、鉄道会社の仕事もなくなり、ジョージは引き上げるためにマギーを迎えにインガルスの家へ寄りました。そうしているうちに、あの長い冬が始まったのです。追い出すわけにもいかず、マスターズ夫妻と赤ん坊のアーサーは、インガルスの家で厳しい冬を過ごしました。

ジョージとの同居は不愉快だったようで、彼はとうさんの外仕事も手伝わず、沢地に干し草を取りにも行かず、干し草をよることもしませんでした。とうさんをはじめ、町の人々は、ワイルダー兄弟の家などに集まって、情報を仕入れたり、とりとめのない話で気を紛らわしていましたが、ジョージはいちばん暖かい場所に陣取って動こうとせず、食べものが乏しくなってもがっついて食べていました。こういう厳しい状況のとき人間が試されると、「パイオニアガール」は述べています。

「長い冬」にはマスターズは登場しません。なぜマスターズを省略したのでしょう?
マスターズを入れるなら、ありのままを書かなければならないし、そうすれば作品を傷つける。いい人に描くと、マンリーの好意を無駄にすることになるから、作品が面白くなくなると、ワイルダーはレインに説明しています。

ワイルダーはジョージにそうとう腹が立っていたようで、私だったら外に放り出すのに、とうさんはそうしなかった、とレインに話しています。そんなワイルダーの気持を代弁する記述が、「パイオニアガール」にみられます。
長い冬の間、次第に、皆、気が立っていました。そんなある日、ローラはジョージに「充分に温かくないと思うなら、干し草をよればいいでしょ。あたしは疲れているんだから」と言ったそうです。ローラらしいですね。